米(伊) think3社のミッドレンジCADです。もともとユリーカ
ゴールドという名で売っていました。ミッドレンジグループの
なかでは唯一サーフェス機能がハイエンドに匹敵する強力
なモノのようです。(ただし別途サーフェスモジュールがいり
ます。) モデリングカーネルを自社開発しているため他の
CADより全般的に機能が高そうです。ビッグユーザーに有
名なメーカーが聞かれないため日本ではマイナーな存在で
す。 デザイナーとしてみれば、ミッドレンジのなかでは一番
興味をそそられますが、使っていないのでなんとも感想が
書けません。そのせいか、海外(アメリカ)ではかなり低価
格なレンタル制で販売をはじめているようで日本でも近々
同じようなサービスが登場するようです。CAD単体で見た
場合の能力は高そう なのですが作ったデータをネイティブ
で利用できるかが一番のネックになりそうです。IGESでの
出力はできますが、できれば生データのまま試作(NC削り
出し)や金型に使える環境がもう少し見えてきてほしいな
という感じです。販売代理店のアンドールがパラソリッドとの
ダイレクトコンバータを出しているようなので、この機能が純
正に搭載されればメジャーなSolidWorks,SolidEdgeとのデー
タ連携など利用価値が高まるので実現してほしいですね。
現状では、一番デザイナーにお勧めできるミッドレンジCAD
であることを付け加えておきます。
追記:
2001年3月にウチにも導入しました。V6というバージョンに
なり、サーフェスの履歴も「関連付け」という形で実装され
ました。 一番の強化ポイントはGSMというサーフェス編集
機能です。どうしても縮退面になる部分にあとから、サーフ
ェスを張りなおすことで、そこを曲率連続させてしまうという
強力なサーフェス編集機能です。デザインの基調となる
ハイライトライン(稜線)をスプラインで描きそこに面を張って
いく過程で出来るサーフェスの「しわ」を取り除いてくれます。
ソリッドをサーフェスでカットし、その稜線にソリッドフィレット
を付けていくというモデリングではフィレットと隣接するサー
フェスの連続は「接線連続」レベルです。 付けるフィレット
がR3など小さければ見た目気になりませんが、それ以上
になると曲率不連続のため影がでます。今までデザイナー
・筐体設計者が何気なく図面化していたこの曲率不連続
は実際の工業製品では目立ちません。優秀な金型加工
者がうまくごまかしていてくれたからです。しかし、3Dデータ
をデザイナー→筐体設計者→金型加工者と通すにはどこ
かでこの作業をしないといけません。実際には3Dデータの
最上流・デザイナー(または専門のオペレーター)がしない
と、とても下流では編集困難です。ですので、デザイナー
が少なくとも意匠面(いわゆるキャビティ面)の品質には責
任を持つ必要があります。3D-CADは種類豊富ですが、
この曲率連続した意匠面を確実に作成できるCADは以外
と少ないのです。ハイエンドでPro/E、Catia、UG、 ミッドレン
ジでthinkdesign、デザイナー向けでAlias
Studio、FRESDAM
(ライノについてはまだ確認していません)ぐらいしかないの
ではないでしょうか?ミッドレンジCADの価格は魅力ですが、
最終工程で使える品質の面が作れなければデザイナー向け
ではないと思うのはこのためです。(プレゼンテーションや
プロトタイプ模型作成では接線連続レベルでも影響ない
場合がほとんどです。)
デザイナー・設計者向けパッケージ価格:約200万円
年間保守料:約20万円
デザイナー・設計者向けパッケージ価格:年間レンタル約60万円
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