ハイエンドCADと呼ばれるものは歴史があり、高価な機械系
3次元ソリッドCADのことをいいます。モデリング機能だけでなく、
解析・CAM等、製造していくために必要な一連のモジュールを
持っています。一般的には4大CADとして次の4つのCADを言い
ます。もともとUNIXでしか動きませんでしたが、時代の要請で
すべてWindowsNT.2000にネイティブ対応したようです。
←各ベンダーへのリンクが張っています。 )

CATIA(日本語よみ:キャティア)
ダッソー社が開発しているCADです。もともとサーフェス
CADとして航空宇宙・造船・自動車産業などで使われてきま
した。今では、その高度で柔軟なモデリング能力を買われて
世界中の自動車メーカーが採用しています。しかし、その能
力の高さからか、下手に扱うととんでもないデータができあが
ってしまい後工程で使えなくなります。デザイナーにとっても
フリースタイルシェイパーなど興味津々なモジュールがあり、
完成度の点ではピカイチでしょう。V5からWindowsネイティブに
なり、プラットフォームの敷居が低くなりました。アセンブリな
どを省き低価格な工業デザイナー向きパッケージがほしいと
ころです。
デザイナー向けパッケージ価格:約450万円
年間保守料:約80万円

Unigraphics(日本語よみ:ユニグラフィックス通称ユージー)
ユニグラフィックス社が開発しているCADです。これも元
々サーフェスCADとして金型・自動車産業などで使われて
きたようです。(UGはあまり詳しく知りません。ごめんなさい。
情報をいただければ転記します。)
有名なユーザーはGM程度しか知りません。ただ、日本でも
牧野さんが金型に特化したものを出しているようなので、金
型分野ではよく使われているようです。これもV16から
Windowsネイテ ィブになり、プラットフォームの敷居が低くな
りました。工業デザイナー向けかどうかわかりませんがフリ
ーフォームモデリングモジュールがあり、サスガの機能があ
るようです。
デザイナー向けパッケージ価格:約400万円
年間保守料:約80万円

Pro/Engineer(日本語よみ:プロエンジニア通称プロイー)
パラメトリックテクノロジー社が開発しているCADです。い
わゆるフィーチャーパラメトリックモデリングを開発した元祖で
す。完全拘束しながらモデリングしていくため最初は戸惑う
みたいですが、 自分のモノにしてしまえば、F1のようなCAD
だそうです。現在2000i2という バージョンですが、すでにR17
のころに完成されたCADのようです。精密・電機・建機とユー
ザー数は世界トップシェアーのようですが、 不思議と自動車
メーカーは少ないようです。家電メーカー内では工業デザイナ
ーも使用していると日経CG・デジタルエンジニアリングなどで
紹介されています。 ソリッドCADからの出発のわりには早くか
らサーフェス機能を充実させ、サーフェスの曲率チェックもとて
もわかりやすく高機能です。積極的に企業買収をして現在、
グループ内にICEM-SURF・CDRSと2つのデザイン系サーフェ
スCADを持っておりこれらのデータを連想性のあるフィーチャー
として取り込める機能も持っています。ただPro/E単体で、ほ
とんどのモデリングが可能なようなので実際のユーザーはあ
まり聞きません。
デザイナー向けモジュール合計価格:約250万円
(アセンブリなし)
年間保守料:約45万円


I-DEAS(日本語よみ:アイデアス)
SDRC社が開発しているCADです。私が普段つかっている
CADです。 I-DEASには2系列プロダクトラインがありハイエンド
をマスターシリーズ。ミッドレンジをアルチザンシリーズと名乗
っています。 内容の違いはかつてはあったのですが、今では
チーム設計用ライブラリが1個限定がアルチザン
、無制限がマ
スターとなっています。最新版のI-DEAS8ではアルチザンでも
解析モジュール・CAMなどマスターと同じモノがモジュール追
加できます。デザイナーにとってはあまり関係はないですが、
将来使うかもしれません。I-DEASは元々解析用として発展し
てきたせいもあり、 デザインで使うには結構大変でした。特に
サーフェス・カーブ・ ブレンドが他のハイエンドに比べ弱いです。
しかし、4年前にCAMANDというCAMを2年前にサフェーサーと
いうリバースエンジニア用サーフェスCADを買収 したのでバー
ジョンアップのたびに使いやすくなっては来ています。一刻もは
やくクラスA(曲率連続)サーフェスを自由にハンドリングできる
CADに成長 してほしいです。
デザイナー向けモジュール合計価格:約250万円
年間保守料:約48万円